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残日録 --- The Remains of the Day

読書と食とコンピュータ、そしてインドネシアときどき人類学

最終更新時間: 2026-06-30 14:30

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最近 10 日分 / 今月の一覧

2026-06-30 Tue

 週末日曜の学会で発表する原稿(「牛を借りる」)のファーストドラフトが完成したので、読み上げてみた---奇跡だ!割り当てられた時間(30分)以内に終了した!28分!: [Anthropology]

原稿のタイトルは「「牛を借りる: エンデにおける構造と実践」、 完成に近づいたので(ベータ版)、 ここ にアップした。

最初の読み上げ練習をしてみた。 1ヶ月前に他の学会で発表したばかりというのに、 滑舌が、じつに、悪い・・・。 退職前には週に何回も講義があったので、「立板に水」だったのに・・・。 かつては「学会の寅さん」と呼ばれた私なのだが・・・。

一人の時間は 30分、その内最後の 5分が質疑応答にさくことになっている。 じっさいにかかった時間は 28分だ! 第一回の試し運転で、問題のない時間配分になったのは生まれて初めてかもしれない。

2026-06-29 Mon

 きょうの散歩のお伴は「こそこそ許可証」(by R. Sheckley)だ---とてもよく出来たラジオドラマでした (^o^): [Cinema/TV]

今日の散歩のお伴は "Skulking Permit" (「こそこそ許可証」) --- ロバート・シェクリー。「人間の手がまだ触れない」などの作者だ。 [--いつも「たった一つの冴えたやり方」の作者とこんがらがる。 これはジェームズ・ティプトリー JR だ。--] 地球から入植して 200年たった植民地の星に、 地球から検査官がやってくるというメッセージがまいこんだ。 市長(メイヤー)は、[--この星には小さな一つの市しかない--] あわてて一人犯罪者をでっちあげることにした。 (200年の間一回も犯罪がないことが、恥かしいことだ、 というのが市長の論理だ)。 タウン・クリミナル(「町の道化師」みたいな楽しい言い回しだ)に 選ばれたのはトムである。 彼が唯一殺すことに慣れている市民だからである。 トムは漁師だったのだ。

いやいやながら犯罪者となったトムに盗みはできたが、殺人はとてもできなかった。

検査官が到着した。 地球が異星人との戦争をしているので、 徴兵にきたのだという。

なんやかんやで、トムは検査官を殺すことを決意する。 ところが、 土壇場になって、あとは引き金を引くだけになったのだが、 彼はどうしても検察官を殺すことができない。 市長もそれを認める --- 「われわれの間では200年も犯罪がなかったので・・・」。

それをきいた検査官は、 徴兵しても役にたたないことを悟り、 引き返す。

・・・という話だ。 SFの黎明期の短編は、どれも面白い。

2026-06-27 Sat

 ネコのクッションのプレゼント、大好きなスパゲティミートボール、そしてショートケーキ。EMちゃんが舞い踊っていた---食べおわった後(あと)、ケーキのお皿を何度もなめていた: [Food]

ニトリに注文していた小さいクッションと 玄関マットが届いていた。 小さいクッションは、 すでに2ヶもっているニトリのネコ(「デコネコ」と言うそうだ) の小型版だ。 EMちゃんが大喜び。

きょうの晩ご飯は: Cちゃんの作ったスパゲティ・ミートボール。 EMちゃんの大好物なのかしらん、 EMちゃんはパクパク・ムシャムシャと食べていた。

食後のデザートはショートケーキ。 これもまたEMちゃんの大好物らしい。 食べた後(あと)のお皿をペロペロとなめていた。

2026-05-28 Thu

 とうとう今週末の発表原稿の第一ドラフトが完成した。15分で読むことが期待されている。「最初だから40分以上かかるだろう」と思いながら最初の読み上げをした。---なんと25分で終わった!日曜日までに15分に縮めるのはそれほど難しくないだろう: [Anthropology]

タイトルは「よろめきの美徳」。 ここ にアップした。 内容は、まずまずの出来かな。

YouTube にアップロードしたので、 聞いてみた。 ま、なんと滑舌がわるいこと。 それに、ぼくの声はもっともっといい声だと思っていた。

ま・いいか。

2026-05-15 Fri

 学会は来週の週末だと思っていたら、再来週だった!---1週間得した 😂😅: [Anthropology]

ぼくの論文書きの計画は以下の通りだった。 (1)明日の土曜日(お誕生会)(05-18)までに第一ドラフトを書き上げる。 (2)それから1週間で形をととのえて、 (3)学会(来週の週末)で立派に発表。

Eがそれをきいて「まだ2週間あるよ」という。 カレンダーしらべたら学会(05-30/05-31)までに、 確かに2週間だった。 てっきり来週の土・日だと思ったのだが、 再来週の土・日だったのだ。 ほっとした。

2026-04-29 Wed

 今度の学会発表が『ドラゴンボール』みたいな長〜い「前回までのあらすじ」だけで終わっちゃいそうな予感・・・---(喋っている人が)10年以上にわたって書いてきたことを15分にするんだから、(聴いている方にも)面白いと思うが・・・どうだろう?: [Anthropology]

5月末の日本文化人類学会の研究大会での発表、 「よろめきの美徳」 の大枠を考えてみた。

★ 「これまでのお話(その1)--- ないものがない(否定性の欠如)」。

自閉症(『自閉症の現象学』 (村上 靖彦 2008))、 概念枠組(On the Very Idea of a Conceptual Scheme (Davidson 1974))、 (ウィトゲンシュタインの)独我論 (Tractatus Logico-Philosophicus (Wittgenstein 1961)) はすべて単相状況 (『心と他者』 (野矢 茂樹 2012 (1995)))であり、 その世界には「ないもの(隠れているもの)がない」。 自閉症の世界には理解できないもの(「他者」)がいないのだ。

★ 「これまでのお話(その2)--- ないものがある(他者、異文化がある)」。

自閉症でない人の世界には影が、 見えないところが、 わからないものがある --- すなわち世界は「ないもの」に溢れているのだ。 「分からないもの」の典型が他者であり、そして異文化である。 ないものがある状況こそが複相状況であり、 ウィトゲンシュタインがウサギアヒルの図 Philosophical Investigations (Wittgenstein 1968) で示したものだ。 複相状況とは地としての自文化の上に、図としての異文化を見る、 そのような状況である (「異文化の見つけ方」 (中川 敏 2015)、 「引用と人生」 (中川 敏 2016))。               
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★ 「これまでのお話(その3)--- 「ないものがある」にも程度がある」。

複相状況にもいろんな程度がある。 「エンデの人々は妖術を信じている」と報告する宣教師と、 「エンデの人々は妖術を信じている」と報告する人類学者の複相には差がある筈だ。

★ 「今回解いていきたい問題 「図と地が反転するとはいかなることか」」

人類学者がいくら「深い深い、まきこまれる異文化理解」とわめいても、 (Deadly Words: Witchcraft in Bocage (Favret-Saada 1980)) 彼の複相の地は、あくまで、自文化である。 けっきょく、節子は土屋とわかれ、倉越家の嫁として生きてゆくのだ (『美徳のよろめき』 (三島 2021))。

地が異文化になってしまう状況、 地と図が反転する状況とはどんなものなのだろう? 反転(あるいは「転向」)のよい例は QAnon への信仰のめざめの中に見られる --- 高学歴で、民主党支持の弁護士エミリが、 突然 QAnon の信者となる。 社会変革への熱心な支持者であったリベラルな考えをもつ アリスが突然 QAnon へとかたむいていく (The Quiet Damage: QAnon and the Destruction of the American Family (Cook 2024))。

なお、わたしが描きたいのは、因果関係ではないことを宣言しておきたい。 心理学的社会学的な説明はちまたにあふれているだろう。 クックの本がそうだし、秦の『陰謀論』 (秦正樹 2022) をはじめ様々な 本がこの現象(QAnon への転向)を社会学的に説明している。 そうではなくて、 わたしが描きたいのは、「地と図が反転する」というのは 論理的にどのようなものかということだ。

★ 「これまでのお話(その4)--- トランプといじめ」

前回の発表、 「いじめの誘惑: ヒト、空気を読む」英語版) (中川 敏 2025) で行なったことは、 「いじめ」、とりわけ「冗談を武器にした いじめ」(〈いじめ/冗談〉)を、 デネットの「心(志向性)の埋め込みのレベル」を背景にして眺めてみることだった。 3次の志向性は霊長類学者が「(サルとヒトの)閾」として考えた「他人の心」である。 わたしは、3次の志向性を対象にする心的態度、 すなわち、虚構を楽しむ態度があることを指摘した。[--わたしはこれが「閾」であると主張したい--] いじめ/冗談とは、さらに、この「虚構を楽しむこと」自身を 対象にした態度なのだ。

★ 「いよいよ本文」

最後に、〈いじめ/冗談〉を可能にした舞台装置こそが、 地と図の反転に際の論理装置なのであることを示す。

・・・

なかなかいいじゃん。 これを枠組にして書き始めよう!

2026-04-28 Tue

ニュース…「「左派ユダヤ人にとって、ブントは模範である」:ヨーロッパ最大級の社会主義運動の一つに隠された急進的な歴史」---この記事は書評論文です;対象になった本、とても面白そうだが 450ページもある・・・ : [Category World]

[Visit Website The Guardian]  

原題は: ‘For leftist Jews, the Bund is a model’: the radical history behind one of Europe’s biggest socialist movements | Judaism | The Guardian

Molly Crabapple の本の書評論文である。

以下 Sider による要約:

本記事は、Molly Crabapple の新著『Here Where We Live Is Our Country:The Story of the Jewish Bund』を軸に、1897年にツァーリ帝政下で生まれたユダヤ系社会主義政党「ブント(Bund)」の急成長と崩壊を描きつつ、その思想が現在の運動(パレスチナ解放への連帯など)にいかに響いているかを論じる。ブントは、ユダヤ人の文化的尊厳を守りながらも国民主義(とりわけシオニズム)に反対し、「民族の特殊性は必ずしもナショナリズムに結びつかない」「違いを越えた連帯」を実践しようとした。だが20世紀の大激変(レーニンによる弾圧、ナチスの壊滅、そしてシオニズムによる入植国家の成立、ソ連型社会主義の専制化)によって敗北し、記憶は周縁化された一方で、著者はブントの原則が道徳的に刺激的であり得ると主張する。 (以上要約おわり)

この本と マルクスの『ユダヤ人問題によせて』 (あるいは、そこに言及されているブルーノ・バウワー)の議論、 そして現在のネタニエフのイスラエルとを3つ重ねると見えてくるものがあるような・・・。

ウィキペディアで 調べてみてびっくりした。 著者の Molly Crabapple という方は、アーティスト、作家、そして漫画家だというのだ。

よし! ぼくも頑張ろう! いまから、漫画を書いて、小説を書いて、絵をかくぞ!

2026-04-20 Mon

 『ポラーノの広場』(宮沢賢治)(朗読 沼尾ひろ子)を聞いた;賢治のカタカナにうっとりする---「デステゥパーゴ」って悪役の名前として一番イカシてる(「ダースベーダー」がナンバー2): [Cinema/TV]

今日の散歩のお伴は、『ポラーノの広場(6)』(宮沢賢治)(朗読 沼尾ひろ子)、 最終回でした。

賢治の小説は(読んでもいいけど)聞くべきだな、と思った --- ポラーノ、ファゼーロ、 イーハートーヴ(もちろん「岩手」)、モリーオ市(盛岡だそうだ)、 センダード市(仙台!)・・・。

2026-04-15 Wed

 ChatGPT に書いてもらった perl スクリプトがエラーを吐く;書き換えをたのんだが、「お前が コピー&ペーストで間違えたのだろう」とけんもほろろである---Claude.ai に聞いたら、すぐに直してくれた: [Data]

いよいよ bibtex から biblatex に移行することとした。 ChatGPT に bibtex から biblatex に変換する perl スクリプト (bib-clean.pl) を書いてもらった。 ところが、このプログラムがうまくうごかない。 ChatGPT にエラーをアップロードして、 なおしてくれるよう頼んでも、 「コピー&ペーストの際に失敗したんだよ」ととりあってくれない。 リテラルとして小括弧や中括弧や大括弧が活躍するプログラムなので、 目がくらくらして、 自分じゃなおせない。

万策尽きたと思ったが・・・別の生成 AI (Claude.ai) に聞いてみたら、 一発で解決した。 そういもんかな・・・。

2026-04-14 Tue

 『ヒルダの冒険』(Netflix)をもう一度みた;〈すばらしいシリーズすべてを台無しにする最終回〉もみた---びっくり、記憶がまちがっていた;最終回もおもしろかったです(ごめんなさい!): [Cinema/TV]

Hilda (Netflix)は、ぼくの好きなアニメシリーズの1つだ。 数年前に既にすべてのエピソードを観たのだが、 [--2020年に S01 と S02、2023年に S03--] きのう ひさしぶりに見たくなった。 Netflix で Hilda をクリックすると、 S03E06 ("The Forgotten Lake") が開いた。 Hilda を観るのは既に2回目で、 シリーズ 3、エピソード 6まで見ていたということだ。

S03E06 はとても面白かった。

きょうは続けて S03E07 "Strange Frequencies" を観る。 こんなに面白かったことをころりと忘れていた。 そのまま S03E08 "The Fairy Isle" にはいる。 エピソードの途中で休憩。 物語全体の構成をみる。 想定外だったが、このエピソードが最終回なのだ。 特別なのはそれだけでない; エピソードの長さが1時間半もあるのである (その他のエピソードは25分くらいだ)--- 子供向けの映画1本の長さだ。

「最終回」と聞いて、 このエピソードの筋をはっきりと思い出した。 The Troll Hunters からはじまる三部作は、 ほどほどに好きなテレビアニメ・シリーズの1つなのだが、 あの「最終回」は受け入れられない。 テレビシリーズの最悪の最終回の1つだと思っている。 私が言いたいことは、 Hilda の最終回もそれと並ぶほどの (あれほど酷くはないが)すべて打ち壊しの最終回だ、という ことだ。 すくなくとも、僕の記憶のなかではそうなっている。

・・・

なぜか、ぼくは1回目の視聴のときに、 最終回の後半を見なかったようなのだ。 前半部分で「おしまい」と思い、 「ひどい!」という感想をもったんだ。

そんなことはありませんでした。 それなりの最終回でした。 [--世界を説明するような最終回にする必要はないと、わたしは思うが。--]

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