読書と食とコンピュータ、そしてインドネシアときどき人類学
最終更新時間: 2025-07-23 20:49
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最近 10 日分 / 今月の一覧
2025-07-22 Tue
★ コンピューターに入力していない手書きのフィールドワーク資料を ChatGPT にトランスクライブしてもらった---こんなに簡単に出来るんだ。これからフィールドで入手した物語をいくつかアップロードしていきたい: [Anthropology]
まだコンピューターが普及していない頃(1980年代)、 フィールドノーツのまとめをルースリーフに丁寧に書き写していた。 それらの手書きのまとめに対して OCR を試したこともあるが、 まるで失敗だった。 なんというか、文字化けのような結果がでてくるのだ。
ダメモトで ChatGPT にできるか尋ねてみた。 丁寧に書かれたものなら可能性はあるということ。
pdf を送ると、「OCR をかけていない」と却下される。 「いまから、OCR をかけるのに・・・」。 しかたないので jpg で一枚づつ (1枚が現地語、1枚が日本語)おくる。
びっくり。 かなりの精度で読み取っていた。
まずは、いささかスカトロジックな 「オンド戦役」 のトランスクリプションと、 その翻訳を flores-web にアップロードした。
2025-07-13 Sun
★ ChatGPT に依頼した翻訳が長い間 渋滞したままだった。あらためて原文を細切れにして、ChatGPT に少しづつ渡す。と・・・すぐに返信がきた!---次回からは po4a をつかって、翻訳依頼をすることとする: [Soft]
ChatGPT に二つ翻訳をたのんでいた。 "History of Flores" (英語)のインドネシア語訳と、 「象牙をたどる」(日本語)の英訳だ。 どちらもほぼ全文を一気に手渡しての翻訳依頼だ。 「翻訳はできたところから投稿する」という約束である。 翻訳は、最初の方こそ調子よかったのだが、 すぐに渋滞して、ChatGPT からはもう何日も音沙汰なしだ。 困りきって、 あらたに、 「これから少しづつ渡すから、すぐに翻訳してくれ」と ChatGPT にお願いする。 数日前に渡した原文を全文わたしているのだが、 冒頭の二つくらいの段落をわたす。 なんと、すぐに返事がきた。 めんどうくさいけど、 原文を細切(こまぎ)れにして ChatGPT に渡すと、 ChatGPT による翻訳は渋滞なしに進むことがわかった。
ともかく、"History of Flores" のインドネシア語訳ができあがった --- "Sejarah Pulau Flores" (インドネシア語) である。 (本文とは関係ないが、 日本語訳は ここ。)
ただし、 原文をぶつ切りにして、 ChatGPT にわたし、 入稿した翻訳を手作業で翻訳ファイルに挿入するというのは、 めんどうくさく、 またミスがでやすい作業である。 じっさい、今回の翻訳でも、 いくつか文章が抜けているようだが、 それをチェックするのも実に煩雑である。
次からは po4a をつかうことにする。 明日は、まず、「象牙をたどる」から始めよう。
2025-07-11 Fri
★ ニュース…「どんな方法をつかって、右翼は進歩的な社会を破壊するのか?冗談によってだ」---The Guardian の 2025-07-10 付の社説だ。先日口頭発表したぼくの論文、「いじめの誘惑」に引用できるし、もしかしたら、ぼくの議論を発展させることができるかもしれない : [Category World]
[Visit Website The Guardian]
原題は: How does the right tear down progressive societies? It starts with a joke.
現代アメリカは「右翼の冗談」の宝庫なので わざわざ類例を引くこともないだろう。 日本では、百田の「30歳越えたら子宮摘出する」の例が「冗談ごかし」としては 一番よい例かもしれない。
なお、関係するぼくの論文は以下のとおり: 「いじめの誘惑」。 なお、英語版は: "Temptation of Bullying"。
以下、 ChatGPT によるこの記事の要約である。
🧠 記事の主旨
ジョークによる過激発言の容認:右派メディアでは、ボンディング発言(「冗談だから」「ちょっとした思考実験」)として、暴力や差別的発言が軽視される傾向がある。これは進歩的社会を破壊する戦略的な「笑い」を利用している、と筆者は指摘します The Guardian。
具体的事例
ロッド・リドルの爆撃発言:
『スペクテイター』誌でグラストンベリーやブライトンへの爆撃を示唆。
彼は「仮説的に、ちょっと憧れて」と表現し、冗談扱いされたが、社会ではもっと厳しい反応になっても不思議ではない 。
ルイス・シャファーの障がい者への発言:
GB Newsにて「障がい者の生活保護を受けてる人は『ただ飢えさせればいい』。それができないなら処刑?」という主張を「思考実験」として語った 。
問題の構造
「戦略的メインストリーミング」:ユーモア・アイロニー・ミームを用いて、タブーやヘイト思想を正当化・拡大する手法。特に極右のプロパガンダ手段として注目されている 。
「アイロニー中毒」:笑いと冗談で徐々に暴言を日常化させ、差別的・暴力的発言と真意との境界をぼやけさせる状態 。
実例として Christchurch テロ:攻撃前の予告にミームが利用され、後に同様の「ジョーク」で追認・祭り上げられた 。
関係者の過去の暴力行為:リドルの家庭内暴行疑惑や、ジェレミー・クラークソンの侮蔑的なコメント(メーガン妃への「裸パレード」「超公務員は射殺」といった発言)もユーモアの名目で流布されている 。
筆者の警鐘 右派による「冗談だから」と責任を曖昧にする言説戦術は、社会の寛容性を侵食し、人権や共生の土台を切り崩すものである。
誰もが「ちょっとした笑い」として流せるようになると、公的議論や社会倫理は蝕まれてしまう。
✅ 結論
差別や暴力を「冗談」で正当化するメディアや言説の構造は、社会のタブー意識を壊し、徐々に過激な思想を受け入れる土壌を作ってしまう。進歩的な民主社会を守るためには、こうした言論形態に対して一線を引き、きちんと責任を問う必要がある、という強い警告を込めた評論となっています。
2025-07-08 Tue
★ ニュース…「【フローレス島】ゴミしか受け取っていない;西マンガライ県知事は、国立公園(TNK)からの非課税国庫収入(PNBP)の分配を林業大臣に要請しました」---「中央政府め!おれらの観光の上前はねやがって」ということかしらん : [Category Flores]
[Visit Website Floresa]
原題は: Hanya Dapat Sampah, Bupati Manggarai Barat Minta Menteri Kehutanan Bagi Jatah PNBP dari TNK
舞台はフローレス島の西の端、 西マンガライ県 (Kabupaten Manggarai Barat) --- この県の最大の街、ラブアンバジョは、 コモド・ドラゴンの生息地への観光のための拠点となる街である。 さらに TNK(「コモド国立公園」)ができ、 観光はますます発展している。 このブログでも、 オーバー・ツーリズムの話題などをいろいろ取り上げたが、 この記事も観光についての話だ。
リード文は: 2023年以降、政府はTNK区域外のいくつかの島からのみ課税を認可されています。
Sider による要旨:
この記事は、 マンガライバラトのバディンエディティウス・エンディ氏が、 TNK (コモド国立公園)からの PNBP (国庫外税収)の配分を求める要望を示したことを中心に、 地域の経済や環境管理の課題を解説している。 特に、 PNBP の配分不足や観光収入の偏在、 ゴミ問題など、 現地の福祉と持続可能な観光発展に関する問題点が強調されている。 さらに、 中央政府と地方の利益分配における制度的課題や、 地域住民が直面する経済的恩恵の不均衡についても言及されている。
- エディティウス氏は、TNKからのPNBP配分を増やし、地域の教育や医療施設整備に充当したいと要望した。
- 2024年のTNKのPNBPは53億ルピア以上に達し、観光客数に基づく収入が高い一方で、マンガライバラトはわずか2.6億ルピアを受け取っている。
- 地方自治体は、TNK外の島々でスノーケリングやダイビングの観光収入を得ているが、TNK内の収益からは排除されている。
- 2023年から、TNKへの観光収入の徴収はBTNKのみが行うことになり、以前のように地域も収入を得られなくなった。
- BPK(国家監査庁)の勧告により、TNKへの入場料収入は中央のBTNKに集中し、地方は問題の解決やゴミ処理などの負担だけを受けている。
- Raja Juli Antoni氏は、利益の共有の重要性を認め、地域の利益が直接反映される仕組みを模索していると述べた。
- 地域の持続可能な発展には、財政問題や収益分配の制度改革が必要であり、観光収入の公平な分配と環境保全が求められている。
2025-07-07 Mon
★ ニュース…「【フローレス島】レウォトビ火山の噴火で、NTT州の3つの空港が閉鎖された」---飛行機の運行がカオスになっているのだろう;ぼくが行く 8月までには正常になっているといいのだが : [Category NTT]
[Visit Website Lintas NTT]
原題は: Tiga Bandara di NTT Tutup Sementara Karena Erupsi Gunung Lewotobi - LINTAS NTT
エンデ (Ende) の空港は開いているのだが、ラブアンバジョ (Labuanbajo) がしまっている。 バリからエンデに行くには、ラブアンバジョ経由しか道がない。 ぼくらの出発はまだ1ヶ月先だが、 どれだけ大きな影響があるか、楽観はできない。
2025-07-01 Tue
★ こないだ学会で発表した論文「いじめの誘惑 --- ヒト、空気を読む」を ChatGPT をつかって英語に翻訳した---内容チェックはとにかく、とりあえず英語版を発表してしまうことにした。いつものところにアップロードしてあります: [Anthropology]
ChatGPT をつかって、 「いじめの誘惑」の原稿を翻訳する。 形式的にはうまくやってくれた。 1時間ちょっとで完了した。 これから内容のチェックをするところなのだが、 はやめに発表したかったので、とりあえずアップロードした。 ここです --- bully.en.html
つぎはエンデ関係の論文だ!
2025-06-26 Thu
★ CちゃんとEMちゃんが帰国しました---長い旅行のあとも機嫌のいいEMちゃん!: [Summary]
CちゃんとEMちゃんがインドから到着する。 1ヶ月ほどのバケーションだ。 日本の夏も暑いが、 インドはもっと暑いという。
空港で「じーっちゃん!」とかけてくるEM、 映画みたくてかわいかった。 「ばっちゃん」も来ているのに気がついて、 おお喜び。
1時間ちょっとで家にかえりつく。 タクシーの中で寝て、 家について起きたのだが、 にこにこがつづいている。
2025-06-25 Wed
★ インドネシア往復切符(SQ)でおおさわぎ---相談チャットの相手がAIだったのがわかった時点で意気阻喪となった;AIさんをみくびっちゃいけない!なんとかなるもんだ: [Money]
ご飯をたべたあと、 Eと二人で8月のインドネシア行きの切符を購入する。
先日、ぼくの切符の手続きの最後の最後で、 カードを受け取ってもらえずにぼくは切符を買えなかった。 たまたま Eもまだ購買していなかったので、 今日は二人で最初から遣り直しである。 ぼくが再びつっかえてしまうのを心配して、 今回は、ぼくが購買できるまでEがじっと待っているという 作戦をとった。
今回はぼくはうまく購入できたのだが、 Eが先に進めなくなってしまった。
仕方がないので、Eはもう一度最初から始める。 順調に進んだようだが、 座席をとろうとしたところで、 さきほど確保した席(ぼくの席の隣になる)が とれなくなってしまっている。 おそらくさきほど自分で確保した席がそのままになっているのだろう。 Eは困りきっている。 ぼくは、サイトの中をさぐってチャットをみつけた。
チャットをよびだすと、 人間ではなく、 AI のチャットだった。 がっくりくる。 その上、「この時間は英語だけです」ということだ。 [--AIも時間帯ごとに作業を交替しとるんかい・・・--]
ともかく、 AI にむかって、現在のEの窮状を説明する。 AIが思った以上の「理解力」 (competence without comprehension (by Dennett))のいい例だ) を示したので、びっくりした。 ともかく AI は状況を「理解」したようだ。
Eの状況がさきほどよりさらに複雑化したので、 Eに AI の相手を代わってもらう。
複雑な話なので、時間はかかったが、 最終的には、切符が入手できた。
終わりよければすべてよし。
2025-06-21 Sat
★ The Man in the Brown Suit (by Agatha Christie) を聞き終わった---ジェットコースター・ムービーみたいに、楽しめた: [Book]
この1週間ほど散歩のお伴は The Man in the Brown Suit だった。 [--BBC のフルドラマタイゼーション--] じつに楽しかった。 [--一度読んだと思うが、筋をまったく忘れていた--] 強いて分類すれば、 たぶん The Secret Adversary (Tommy and Tuppence series)の流れかな。 ぼくの中では、 Why Didn't They Ask Evans 同様の「単発もの」という分類だったが。
女主人公 Ann Beddingfield は "Pamela in ..." シリーズの大ファン。 スピルバーグがあこがれた、シリーズものの冒険映画のようなものだと思う。 その映画の主人公のパメラのように、 アンはつぎつぎに冒険に巻き込まれていく。 クリスティは書いていて楽しくてしょうがなかったんじゃないかしらん。
ちょっと目には Paul Temple シリーズに似てなくもないが、 ストーリーはきっちりしている --- ポール・テンプルでは、ただただ回数をかせぐために、 [--ポール・テンプルシリーズは有名なラジオ・シリーズ--] いろんな事件が起きるのだが、 さすがクリスティである、そんなことはない --- The Man in the Brown Suit では、それぞれの事件は 緊密に(それなりに「緊密に」)つなぎあわされている。
全編をつらぬく謎は "The Colonel" が誰なのか・・・というものだが、 選択肢はそれほど広くないので、 謎をといても、読者がびっくりするわけではない。 それでも、 "The Colonel" のキャラクターが楽しいので許してあげる。
あまりに愉快だったので、 原作を読みはじめる。 たいていの人物が、「みた目」や「最初の印象」や 「自分で言うところの人間」ではないので、 最初から読むのが実にたのしい。 「あ・こいつ、最初に出てきたときはこんな印象だったんだ」 [--なお、ナレーションのほとんどはアンの一人称語りである--] とにやにやしながら、 今、読んでいる。
いろいろ書きたいこともあるが、 とまれ、 とても楽しんだ。
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最終更新時間: 2025-07-23 20:49