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残日録 --- The Remains of the Day / 2024-06

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2024-06-03 Mon

 講義録速報:『環境主義と人類学(仮題)』の「序」(intro)を書いている---v0.1.1 とする: [Anthropology]

先日公開した講義録の第1弾、 『環境主義と人類学(仮題)』 (environment) に、 全体の構成を示した章、 『序』 (intro) を書いてアップロードした。

バージョンを(v0.1.0 から)v0.1.1 とした。

 講義録速報:『セックス・アンド・ジェンダー』をアップロードした---これは、いわば、試供品だ: [Anthropology]

私がはじめて授業をした時 (1988) に作った講義ノート、 『セックスとジェンダー』 (sex_and_gender)を 公開します。 公開するような内容ではないのですが (「出版」については考えていなかったので、 自分の文章と引用とが区別できないという大欠陥がある)、 オンライン出版の流れを説明する材料として使おうと思います。

バージョンは v0.1.0 です。

 講義録のオンライン出版は3つのステップからなっている---3つ目のステップとして leanpub での商業出版をかんがえている: [Anthropology]

講義録のオンライン出版は 3つの段階(場所)からなっている。 以下の通りだ: (1) わたしの 私設ウェブ (www.merapano.net)、 (2) わたしの github-pages (merapano.github.io)、 そして最後に (3) leanpub を通じての出版である。

いくつかの例外はあるが、 ほとんどの講義録の License は Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International CC BY-NC-ND 4.0 である。

(1) 一つの講義録が最低限の形をなしたら、 私設ウェブ (www.merapano.net) で公開する。 形式は章ごとの html となる。 現在のところ、 『環境主義と人類学』、 および 『セックスとジェンダー』 の 二つの講義録が、 私設ウェブ上で公開されている。 なお、 バージョンは v0.1.0 から始まる。 ローカルでの細かい改善はすぐに公開版に反映させ、 改善の程度に応じてバージョン番号を増やしていく --- v0.1.0 から v0.1.1 など。 「ファーストドラフト」と呼べるようになった時点で、 バージョン番号を v1.0.0 として、 つぎの段階(2)に進む。 できればこの段階の原稿の引用は控えていただきたい。

(2) 「ファーストドラフト」としてのバージョン (v1.0.0) は わたしの github-pages で公開する。 この段階では章ごとにばらばらではなく、 すべてをまとめて本として(epub そして pdf として) アップロードする。 この段階に達した講義録はまだないが、 試供品として、 『セックスとジェンダー』をアップしておく。 epub は こちら(直接リンク)で、 pdf は こちら(直接リンク)である。 原稿の引用は、この段階からお願いしたい。 ページ数が必要な引用に関しては PDF バージョンを 使用していただきたい。 (なお github-pages に公開済および公開予定の 全講義録のインデックスは 現在 作成中である) なお、この段階になっても (1) の私設ウェブでの公開 (HTML) は 続いており、 細かいバージョンアップは主に HTML に対して行われる。 HTML のバージョンアップがある程度まとまった時に github-pages 版のバージョンアップを行なう。 バージョン番号は、例えば、 v1.0.0 から v.1.0.1 へとあがる (mastodon および bluesky を通じて速報を流す)。 バージョン番号が v1.1.0 になれば 次の段階 (leanpub) へ進むこととなる。

(3) ほぼ完成した原稿は v1.1.0 として leanpub に発表する。 この段階ではほとんどバージョンアップの作業はしない。

2024-06-05 Wed

 講義録速報:『開発と人類学(仮題)』を公開しました---『言語ゲームが世界を創る』のあとを受けたパンキョウの授業の講義ノーツです: [Anthropology]

豊中キャンパスで 1年生、2年生を対象に パンキョウ(一般教養)をほぼ毎年担当してきました。 基本的に同じ内容の授業で、 毎年バージョンアップをしていました。 2008年くらいまでは『科学の人類学』というテーマで 授業をしてきました。 それが『言語ゲームが世界を創る』(世界思想社)として 刊行されたのをきっかけに、 まったく新しいテーマに切り替えました。 たぶん2009年だと思います。 それ以来いくつかのテーマを取り上げましたが、 最初にとりあげたのが経済と交換です。 わたしの『交換の民族誌』(世界思想社)の続編として 構想したものです。 筋を何度も練り直したのですが、 いまだにもっとも良いストーリーを見つけることが できていません。 ここ からアクセスできます。 仮題を『開発の民族誌』としておきます。

2024-06-07 Fri

 講義録:『異文化の見つけ方』および『異文化の遊び方』を公開しました---2015年および 2016年の授業です: [Anthropology]

2015年に吹田で行なった授業、 『異文化の見つけ方 --- 相対主義の可能性』、 および翌年(2016年)の続編 『異文化の遊び方 --- 引用と人生』 です。 二つの講義にはかなり自信があったのですが、 ざんねんながらどの出版社からも積極的な反応はありませんでした。 自費出版とします。

なお、中川の個人史を述べておくと: この二つの授業で相対主義の人類学/ 構造主義の人類学にいったんピリオドを打ちます。 2017年からは「自然主義転回」にとりかかります。 これらの相対主義・構造主義に、 自然主義の考えを対立させていこうというプロジェクトです。 2018年に『模型論』、 2019年に『呪物論』を展開しました。

なお、蛇足ですが、2019年は私の退職の年です。

2024-06-08 Sat

ニュース…「(東インドネシア、フローレス島、マンガライ)若者の共同体がポチョ・レオックの水を守る」---悪者(地熱発電)から女性(土地)を守る若き警備隊・・・ : [Category Flores]

[Visit Website Floresa]  

原題は: Kolaborasi Komunitas Muda Jaga Air di Poco Leok

ルーテン (Ruteng) (中部マンガライの県庁所在地)を 基盤に活動しているグループ、 Rumah Baca Aksara というのがあるらしい。 HP がみあたらないが、 Facebook が HP 代わりのようだ。 グループのテーマは「読書を友とする」ということだと書いてある。 たぶん文盲をなくすことが目的なのだろう。 このグループとその他の若者がグループが、 ポチョ・レオックの地熱発電への反対運動を展開しているという、 という記事だ。

ほんとうに Floresa の記事はきちんと取材をしていて、 読んでいて気持ちがいい。 写真もよい。 反開発・若者・NGO あたりが Floresa のキーワードだ。

以上の記事は 06-05 付けだ。 「反鉱山開発の日」は 2024-05-31 であり、 05-31 付の以下の記事(これも Floresa である)は当日に書かれたものだ。 ‘Rawat Mata Air, Bukan Air Mata,’ Narasi Kolaborasi Kaum Muda Peringati Hari Anti Tambang di Poco Leok --- この記事もまた臨場感あふれるすばらしい記事だ。

2024-06-09 Sun

 『エイリアン』 初めて見た---きもちわるかった: [Cinema/TV]

『クレヨンしんちゃん』にでてきた 「食卓で怪物が・・・」の場面しかしらなかった 有名な映画、『エイリアン』を見た。

とても気持ちわるくて、 こわくて、 楽しかった。 『遊星よりの物体X』のパターンだな・・・と思った。 あとで調べたら、 『エイリアン』が 1979年、 『遊星よりの物体X』が 1982年、 『エイリアン』のほうが前なんだ。 [--もちろん The Thing の原作、 Who Goes There (1938) のほうがずっと前だが--]

こわいもの見たさで続編 見ちゃおうかしらん。

2024-06-12 Wed

ニュース…「(フローレス島西部の)ラブアンバジョの土地マフィアのリーダーは誰か?」---Floresa 紙の取材力はすごい。Floresa の調査に比べれば 人類学者なんて・・・と思ってしまう : [Category Flores]

[Visit Website Floresa]  

原題は:Siapa Biang Kerok Mafia Tanah di Labuan Bajo? (翻訳は基本 DeepL、以下同様)。 DeepL は Biang を「犯人」と訳していたが、 たぶんリーダーの方が適切だろう。

まとめ的な文章(前文、リード)は: Mafia tanah melibatkan banyak pihak, mulai dari tua adat abal-abal, oknum di BPN, notaris hingga aparat (翻訳)土地マフィアには、 偽の伝統的長老、 BPNの悪徳な人々、 公証人から当局に至るまで、 多くの関係者が関わっている。

この記事で扱われているラブアンバジョ (Labuanbajo) とは フローレス島の西部の町である。 ここ数年、観光地としておおいに売り出した町だ。 [--コモド・ドラゴンのいる島から最も近い町である--]

フローレス島はオランダ植民地政府から 「もうからない島 (non-profitable island)」と呼ばれた島である。 現在でも島は開発などからは取り残されている。 じっさい、島のあちこちに 「取り残された村」(政府の公式カテゴリー) (desa tertinggal) が見出される。 そのおかげで、 「近代」からはおめこぼしをもらうこととなってきた。 村人たちは、 外からの圧倒的な影響におびえることなく、 変化に対して自分らなりの対応ができる余地があるのだ。 ぼくのフィールドワークの村も、 変化はしているが、 村人たちの対応はとても巧妙である。

ところが、ここ10年ほど(もしかしたら 20年くらいかもしれない)、 ラブアンバジョ (Labuanbajo) は、 観光地としてスポットライトを浴びることになってしまったのだ。 とりわけ 近年のジョコヴィ(現大統領)の後押しが大きな力をもった --- たとえば ASEAN の会議が行なれたのがラブアンバジョなのだ。

ラブアンバジョのまわりの土地はいったいどうなったのだろうか・・・ と心配だったのだが、 この記事を読んで、やはり恐れたとおりだったと分かった。

ほんとうに素晴しい記事である --- 「土地マフィアたち」の犯罪の細かい内容がわかる。 そこにからむ軍や警察、法の関係者、 さらには慣習法共同体の内部からの裏切り者・・・。

エンデ(フローレス島中部のぼくの調査地)も、 ラブアンバジョの出来事を 対岸の火事としてのんびり見ているわけにもいかないだろう。 いつなんどき火の粉が飛んでくるかわからない。 ぼくは村の人たちの当意即妙の知恵は信頼しているが、 それもまた桁ちがいの金と権力の前には蟷螂の斧かもしれない。

2024-06-17 Mon

 講義録のオンライン出版のリスト(予定表)をアップロードしました;アップロード済みの講義録には、クリックして本体に辿りつけます---全部で20のプロジェクトとなりました: [Anthropology]

わたしの約30年の教員生活の中で つくりあげた講義録(その他)をすべて オンラインで刊行していく予定です。 手元にあるファイルを表にしました --- 大阪国際大学時代が4つ(その内2つが書籍として出版)、 阪大時代が19ありました(その内1つが書籍として出版)。 (合計23)。 それらすべてをリストにして わたしの github pages に アップロードしました。 紙の本として刊行されている3つをのぞいて、 残り20の講義をすべてオンラインで刊行していく予定です。

現在6ヶがオンラインで公開されています。 さきほどのリストには それぞれのエントリーに1つ "[目次] " という ボタンが用意されています。 それらのうちの6ヶがクリッカブルに(青く)なっています。 sそれをクリックすると、 目的の本の目次に到達します。 オンラインで読むこともできますし (HTML)、 ダウンロードすることもできます (EPUB/PDF)。

完成版をアップロードすると時間がかかり過ぎますので、 未完成のバージョンがアップロードされています。 すなわち、頻繁にバージョンアップがされる、ということです。 大きなバージョンアップがあった場合には、 このブログ、 そして mastodon (@merapano@mastodon.social)および bluesky (@merapano.bsky.social) で 告知いたします。

ある程度完成したところで バージョンアップをフリーズして、 アップロードする場所を leanpub (https://leanpub.com) に移行します。 この段階では、 各講義録は有料で販売されることになります。

2024-06-24 Mon

 『なかがわさとし論文集(民族誌篇)』(v0.1.3)を公開しました: [Anthropology]

論文集は民族誌篇と理論篇にわけて刊行する予定です。 まずは 民族誌篇 を刊行します。 ここに目次があります。

民族誌篇のディレクトリには 82 のファイルがあります。 そのうち 50 ほどが刊行できそうだと思います。 とりあえず、 退職後(COVID-19 後)の 東南アジア学会(1ヶ)と KAPAL (インドネシア研究懇話会)での発表(3ヶ)を 公開しました。

序文は ここ にあります。

なお、本の PDF は ここ (直接リンク)にあります。

2024-06-25 Tue

 12月の東南アジア学会のための原稿、『千の唇、百の舌 --- 無記名性の悪夢』をかきはじめた---でだしはなかなか好調だ: [Anthropology]

書き始めたばかりだが、 ここにアップしてある。

題名は『千の唇、百の舌』である --- これは、エンデの言い回し wiwi riwu // rhema ngasu の直訳である。 エンデにおいてたいていの場合、 あなたを襲う突然の不幸は妖術 (witchcraft) のせいだと言われる。 あなたが成功したことを、 妖術師 (ata porho) が妬み、 あなたを襲う(tau)のである。 今回の発表でとりあげるのは、 そのバリエーションとも言える考え方だ。 妖術の文脈では、 妖術師こそがあなたの不幸をもたらした主体である。 ところが「千の唇」シナリオの中にはっきりした主体はない。 不幸をもたらしたのは、 噂話なのだ。 まさに、「千の唇、百の舌」が不幸をもたらしたのである。

この状況は、 近年のいじめについて別役実が 『ベケットといじめ』で指摘した構造、 「無記名性の悪意」と正確に重なる。

以上を出発点にして、 物語をつむいでみたい。 1つのバージョンは 贈与の社会は理想的な社会ではないよ、という 結論にいたる話、 もう1つは、 コミュニケーションの基礎は 規約か意図かの議論に貢献するような筋である。 どっちになるかはまだわからない。

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最終更新時間: 2025-04-28 11:09