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Category Flores - 残日録 --- The Remains of the Day

最終更新時間: 2025-04-28 11:12

2025-04-06 Sun

ニュース…「【フローレス島シッカ県】ナンガハレ土地事件に関する法的明確化」---協会側弁護士のまとめ --- もちろん教会寄りの議論だ : [Category Flores]

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先日紹介したが、 教会が フローレス島のシッカ県、ナンガハレで買った土地に 住んでいる住民を強制退去させた件。 Floresa 紙の報道は、もちろん、 「住民」(masyarakat adat) 寄りである。 この記事は、 裁判の教会側の弁護士によるもの (オピニオン)だ。 もちろん教会寄りの議論である。

リード文は: PTクリスラマの弁護士は、 フロレサの報道の一つ「シッカの4歳の子供のヒステリックな叫び声。 その母親はカトリック教会株式会社によってブイに引きずられた」に応えて書いた

内容はひたすら法律用語がならんでいる 長ったらしいものである。 「インドネシアは法治国家なのだから、すべて法によって 裁かれなければならい。 そして、法によればナンガハレの住人に分はなく、 協会側の言うとおりである」ということ。

あまりにテクニカルになったので、 よぉ分からないけど、 ポイントは、これらの法が植民地政府起源のものであることが、 大きな問題なのだと思う。

2025-04-05 Sat

ニュース…「【フローレス島】マンガライで慣習的な土地を売買するのになぜ慣習的な承認が必要なのか?」---土地の売買についての議論だが、とても人類学的だ;マンガライの民族誌を読まなくては : [Category Flores]

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原題は: Mengapa Jual Beli Tanah Ulayat di Manggarai Butuh Persetujuan Tua Adat?

リード文は 個人に分配された慣習的な土地、 すなわち「リンコ (lingko)」は、 私有財産として絶対的なものではない。

このまとめは面白い。

どうも、フローレス島の(かなりの場所で) 二種類の土地の所有形態が同時に使用されているようだ。 氏族所有(tanah ulayat)と個人所有だ。 ただし、(この記事の著者によれば、すくなくとも) マンガライ(フローレス島の西の部族)の「個人所有」は、 市場経済で言うところの「個人所有」ではないというのだ。

係争のポイントとなっているのはある企業による マンガライの「個人所有」の土地の購買である。 著者のポイントは、 市場経済的な購買プロセスだけでは、 この「個人所有」の土地が完全に企業の所有になってはいないというのだ。。

著者は人類学者かと思ったが、弁護士だった。

2025-04-01 Tue

ニュース…「フローレス島のカトリック教会の矛盾:地熱発電を拒絶し、ナンガハレに避難民を残す」---Floresa はカトリック教会批判もきちんとおこなっている : [Category Flores]

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原題は: Kontradiksi Gereja Katolik di Flores: Menolak Geotermal, Membiarkan Umat Terlantar di Nangahale リード文は: ナンガハレで犠牲者となった人々がいたにもかかわらず、 教会側の抑圧的な行動があり、 一部の人々が逮捕された;

記事では、 カトリック教会が (世界的に、そしてとりわけフローレス島で)環境問題に注意を払い、 乱暴な開発につねに異をとなえてきて、 そして、住民の見方であったことについて褒めることから 始めている。 しかし、 フローレス島のシッカ県では、 事情は逆の様相を呈しているというのだ マウメレ教区が所有する会社、 クリスラマ (PT Krisrama) が、 この地の原住民 [--Douglas Lewis の調査地である Tana Ai も含まれれいるようだ--]と 対立関係にあるというのだ。 クリスラマが手に入れた土地は、 もともとこの地の住民のものであったと、 彼ら(住民たち)は主張しているのだ。 その土地を、オランダ植民地政府が奪い、 それを教会が受け継いだのだ、と。 この争いのなか、今年の 1月には ナンガハレ (Nangahale) の住民の 120軒の家が立ち退きを命ぜられたという。

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2025-03-30 Sun

ニュース…「これが新しい善き羊飼いです。後に続く人を待っています。フローレス・レンバタの住民が地熱プロジェクトを拒否する司教の手紙について語る」---地熱発電にたいするカトリック教会の立場を高く評価する記事である : [Category Flores]

[Visit Website Floresa]  

原題は: Ini Baru Gembala yang Baik. Kami Tunggu Tindak Lanjut; Warga Flores-Lembata Bicara Surat Gembala Para Uskup yang Tolak Proyek Geotermal

NTT州 (エンデの人々の住むフローレス島が含まれる)と NTB州(スンバワ島など)とバリ州(もちろんバリ島)とで 一つの大きな教区となるようだ。 そこの司教たちが連名で地熱発電に反対する声明を発表したという。 地熱発電の現場、フローレス島・レンバータ島の人々は この声明を歓迎したという記事だ。 その一方、じっさいに地熱発電の行なわれる各県の司教から 立場表明がないことに、 人びとは不満を感じている、ということだ。 具体的にはマンガライ県の司教のことを指しているのだろう。

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2025-03-04 Tue

ニュース…「デモ隊の要求に対しマンガライ県知事ヘリーが返答する「自然を破壊する意図はなく、ましてやポチョ・レオク住民の文化を破壊するつもりもない」と」---フローレス島の西の端、マンガライ県での地熱発電問題についての記事である;ローカルレベルの政府は今のところどっちつかず : [Category Flores]

[Visit Website Berita Flores]  

原題は: Respon Tuntutan Masa Aksi, Bupati Hery: ‘Tidak Ada Niat Hancurkan Alam, Apalagi Merusak Budaya Warga Poco Leok’

フローレス島マンガライ県 (Manggarai) で続く 地熱発電問題についての記事である。 [--"Berita Flores" という新聞の名前は、はじめて聞いた--]

県知事への抗議のデモがあったのであろう。 反応は良くもわるくも「とりあえず」のものである。 いずれ、 中央政府側につくか、 住民側(反地熱発電)につくかの態度決定を迫られるだろうな。 立場的には中央政府につくしかないのだろうが、 どうやってうまく立ち回れるだろうか。

以下 DeepL の翻訳

ヘリー県知事は、 快適な生活を妨げたり、 自然を破壊したり、 ましてや地域の文化を破壊したりする意図はまったくないと述べた。

もう一度強調しますが、 快適な生活を妨げたり、 自然や環境を破壊したり、 ましてやマンガライの文化を破壊したりする意図は一切ありません。

ヘリー県知事のこの主張は、 2025年3月3日月曜日、 マンガライ州知事事務所のヌカ・ラレ・ホールにおいて、 "ポコ・レオク・ユース"を代表する抗議者グループとの謁見の中でなされた。

謁見の中で、 抗議者の一人であるタデウス・スカルディ氏は、 地元の慣習の問題を提起し、 ポコ・レオク地熱プロジェクト建設のための立地決定 (ペンロック)に関する法令 (SK)を撤回するようヘリー県知事に求めた。

以上最初の数段落の翻訳。

あたらしい発展はないようだ。 もしかしたら、住民たちにとって、 地熱発電じしんは問題なく、 問題は場所なのかしらん。

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2025-02-05 Wed

ニュース…「NTT 州の西マンガライ県政府、ラブアンバジョ観光に代わる観光村を奨励 (Pemkab Mabar NTT dorong desa wisata jadi alternatif wisata Labuan Bajo)」---ラブアンバジョのオーバー・ツーリズム問題はどうなる : [Category Flores]

[Visit Website Antara]  

フローレス島の西マンガライ県にある ラブアンバジョのオーバー・ツーリズムの問題、 とりわけ土地問題については、 Floresa が執拗に報道しているし、 この Blog でも何度か紹介した。

ここに紹介するニュースは 全国紙 (Antara) によるものである。 私の記憶違いでなければ Antara は軍の機関紙だったと思う。 というわけで、 Floresa や VoxNTT などとは違い、 かなり政府寄りの記事となっていることを、最初に宣言しておく。 Floresa や VoxNTT では引用されるのは「住民」の言葉だが、 Antara では、基本的に政府の公式発表が引用される。

さて、記事の中身はというと・・・

東ヌサ・トゥンガラ州(NTT)西マンガライ(マバル)県政府は、 超優先目的地 (DSP)ラブアンバジョを訪れる 外国人観光客や国内観光客のための代替ツアーとなるよう、 多くの観光村を奨励しているというのだ。

記事から引用してみよう --- 「ラブアンバジョの観光は、 コモド国立公園 (TNK)地域の自然のアトラクションだけでなく、 その自然の美しさ、 文化や料理で劣らず魅力的な観光村があります」と 西マンガライノ創造的な経済と文化観光事務所 (Dinas Pariwisata Ekonomi Kreatif dan Kebudayaan、略して Disparekrafbud) ステファヌス Jemsifori は語った。

彼は、 ラブアンバジョのいくつかの観光村がそのような千の滝の村として知られている WaeLolos 観光村のような観光客の訪問を受け入れる準備ができていることを追加し、 Siru観光村は、 農業ベースの観光である Ngalor Kalo アグロツーリズムを持っています。

うんぬん、かんぬん・・・と続く。

さてさて、どうなることやら・・・

2025-02-02 Sun

ニュース…「ラブアンバジョ住民、私有地へのアクセスを阻む「違法」な遮断機を解体 (Warga Labuan Bajo Bongkar Portal ‘Ilegal’ yang Halangi Akses Tanah Bersertifikat)」---ラブアンバジョの土地マフィアの暗躍はすごいことになっている : [Category Flores]

[Visit Website VoxNtt]  

フローレス島の最西端、 ラブアンバジョ(西マンガライ県)のツーリズム(オーバー・ツーリズム)については、 何度もこの Blog で関連する記事(だいたいが Floresa による記事)を 紹介してきた。 (くわしくは、 このブログの "Flores" カテゴリーを見よ。) 今回は VoxNTT という配信社によるものだ。

基本的には、 ラブアンバジョでは、土地からちょっと目をはなすと、 土地マフィアの餌食になるという話だ。

リード文は次のとおり: 西マンガライ県ラブアンバジョの多くの住民が、 自分たちの私有地に遮断機が設置されたことを報告している。 この事件は、 コモド地区ラブアンバジョ村トロ・ベンベで発生した。 (Sejumlah warga di Labuan Bajo, Kabupaten Manggarai Barat, melaporkan adanya pemasangan portal di atas lahan mereka yang sudah bersertifikat. Peristiwa ini terjadi di Toro Bembe, Kelurahan Labuan Bajo, Kecamatan Komodo.)

冒頭の数パラグラフを翻訳してみよう(DeepL)。

住民の一人であるフランシスカス・スブールは、 遮断機の設置は土地マフィアが土地を「不法に」要求しようとする行為であると明かした。 フランシスカスをはじめとする土地所有者たちは、 自分たちの正当な土地へのアクセスが妨害されたことに激怒し、 2025年1月31日(金)に遮断機を解体した。 フランシスカス氏は、 彼らが所有する土地は公認のものであり、 以前の測定プロセスでは何の問題もなかったと強調した。 フランシスカス氏は、2025年2月1日(土)、 記者団に対し、 「私は2つの公認区画の土地を持っています」と述べた。 また、彼は、 住民に害を及ぼす土地マフィアの問題に取り組むため、 政府、特にプラボウォ・スビアント大統領に注意を払うよう求めた。

・・・というような状況だ。

土地マフィアは、もちろん、ジャカルタ(あるいはその他の遠隔にある大都市)の 企業と関連があるだろうから、 政治的にも非常に強い力をもっているだろう。 最初の頃こそ、問題は 企業による土地の(合法的な)買い占めだったのだが、 いまは悪党どもによる略奪となっているようだ。

アンナ・ツィン (Anna Tsing) は、 1993年に素晴しい民族誌を刊行した --- 『ダイヤモンドの女王の王国にて』 (In the Realm of the Diamond Queen)。 ところが、 2005年の本、 『フリクション』(Friction: An Ethnography of Global Connection) で描かれるボルネオはまったく違う様相を呈している。 ボルネオの山村は、 もはや牧歌的な「女王の王国」などではなく、 燕の巣をめぐって軍閥たちが抗争をくりかえす戦場なのだ。 女性ひとりが道を歩くのは危険きわまりない、 そのような殺伐とした場所となってしまったのである。

いま、ラブアンバジョが同じ道を辿りつつあるような気がしてしようがない。

単にラブアンバジョだけではない。 資源なき楽園だったフローレス島全体が、 「地熱」という新しく発見されが資源をきっかけに、 同じ道を辿ろうとしているようにも見える。

2025-01-25 Sat

ニュース…「JPIC-OFM、エンデ大司教の姿勢に寄り添い、フローレス島の地熱島としての地位の取り消しを政府に要請」---先日エンデの大司教が地熱プロジェクトに反対を表明したのだが、それへの支援となる : [Category Flores]

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原題は: JPIC-OFM ‘Tegak Lurus’ dengan Sikap Uskup Agung Ende, Desak Pemerintah Cabut Status Flores sebagai Pulau Geotermal

リード文は: Mendengar cerita dan keluh kesah umat mengenai dampak negatif proyek geotermal yang konkret dan kasat mata sudah cukup bagi seorang uskup untuk menyatakan sikap, kata JPIC-OFM --- 地熱事業の悪影響について、具体的で目に見える人々の話や苦情を聞くことは、司教が立ち上がるのに十分である、とJPIC-OFMは言う。

この記事は 2025-01-24 付けである。 先日紹介した記事(2025-01-16)の続報となるのだろう。 JPIC-OFM という組織はよく知らないのだが、 「それが大司教の意見に賛成をした」が記事になるのだから、 それなりに重要な組織なのかしらん。 ちなみに、 「"JPIC-OFM" とは、 Justice, Peace and Integrity of Creation --- Ordo Fratrum Minorum の略で、 擁護活動・社会慈善・エコロジーに重点を置くカトリック教会の活動分野である 」 (この記事内の文章)とのこと。

2025-01-16 Thu

ニュース…「エンデ大司教、地熱プロジェクトを拒否 --- 人々は感謝し、フローレスの他の司教も同様の姿勢を表明することを望む」---とうとうカトリックが口を出すようになってきた;どうなるのだろう : [Category Flores]

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原題は: Uskup Agung Ende Tolak Proyek Geotermal: Umat Berterima Kasih, Berharap Uskup Lain di Flores Nyatakan Sikap Serupa

リード文は: Tidak hanya menolak proyek yang diklaim bagian dari transisi energi ini, Uskup Budi juga meminta para imam membantu umat yang melakukan resistensi --- エネルギー転換の一環であると主張するこのプロジェクトを拒否するだけでなく、ブディ司教は、プロジェクトに抵抗している人々を助けるよう司祭に求めた。

フローレス島は、昔から Non-Profitable island と呼ばれてきた。 それがゆえに、幸運なことに、 植民地主義からも、また開発からも相手にされなかったのだ。 ここで、地熱が登場する。 火山島フローレス島は、 インドネシアの国家レベルで行われている地熱プロジェクトの対象地域となって しまったのである。

じっさいにプロジェクトが始動すると、 いくつかの場所で開発する側と住民との軋轢が起きた。 マンガライ(Manggarai)が拠点である(多分) ニュース会社、フローレッサ (Floresa) が 積極的にニュースを配信していた事については、 このブログでもしばしば紹介している 2024-10-05 や、 2024-06-08 を見よ。

今回のニュースの焦点は、 いよいよカトリック教会が地熱発電の論争にのりこんできたという事である。 なお、フローレス島は住民の70%がカトリック教徒である。 エンデの大司教 (Uskup Agung/Archibishop) が、 正式に地熱発電への反対議論を展開したのである。

フローレッサ (Floresa) の指摘によると、 マンガライの司教 (Uskup/Bishop) は、 すでに政府に「地熱発電プロジェクトを支持する」という手紙を 送っているという。 面白いのは、 フローレッサ (Floresa) の住民へのインタビューだ。 インタビューを受けた住民は、 マンガライの司教を(あるいはエンデの大司教を)糾弾するのではなく、 冷静にそれぞれの立場を指摘している。 彼によれば、 マンガライの司教は「開発」を立ち位置としているのに対し、 そしてエンデの大司教は「環境」をその立ち位置としているのだ、と言うのである。

毎回書くことだが、 Floresa の記事は、 きちんとした調査に基づいており、また 多くの人々とのインタビューに基づくものであり、 ほんとうに素晴しい。

2024-06-12 Wed

ニュース…「(フローレス島西部の)ラブアンバジョの土地マフィアのリーダーは誰か?」---Floresa 紙の取材力はすごい。Floresa の調査に比べれば 人類学者なんて・・・と思ってしまう : [Category Flores]

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原題は:Siapa Biang Kerok Mafia Tanah di Labuan Bajo? (翻訳は基本 DeepL、以下同様)。 DeepL は Biang を「犯人」と訳していたが、 たぶんリーダーの方が適切だろう。

まとめ的な文章(前文、リード)は: Mafia tanah melibatkan banyak pihak, mulai dari tua adat abal-abal, oknum di BPN, notaris hingga aparat (翻訳)土地マフィアには、 偽の伝統的長老、 BPNの悪徳な人々、 公証人から当局に至るまで、 多くの関係者が関わっている。

この記事で扱われているラブアンバジョ (Labuanbajo) とは フローレス島の西部の町である。 ここ数年、観光地としておおいに売り出した町だ。 [--コモド・ドラゴンのいる島から最も近い町である--]

フローレス島はオランダ植民地政府から 「もうからない島 (non-profitable island)」と呼ばれた島である。 現在でも島は開発などからは取り残されている。 じっさい、島のあちこちに 「取り残された村」(政府の公式カテゴリー) (desa tertinggal) が見出される。 そのおかげで、 「近代」からはおめこぼしをもらうこととなってきた。 村人たちは、 外からの圧倒的な影響におびえることなく、 変化に対して自分らなりの対応ができる余地があるのだ。 ぼくのフィールドワークの村も、 変化はしているが、 村人たちの対応はとても巧妙である。

ところが、ここ10年ほど(もしかしたら 20年くらいかもしれない)、 ラブアンバジョ (Labuanbajo) は、 観光地としてスポットライトを浴びることになってしまったのだ。 とりわけ 近年のジョコヴィ(現大統領)の後押しが大きな力をもった --- たとえば ASEAN の会議が行なれたのがラブアンバジョなのだ。

ラブアンバジョのまわりの土地はいったいどうなったのだろうか・・・ と心配だったのだが、 この記事を読んで、やはり恐れたとおりだったと分かった。

ほんとうに素晴しい記事である --- 「土地マフィアたち」の犯罪の細かい内容がわかる。 そこにからむ軍や警察、法の関係者、 さらには慣習法共同体の内部からの裏切り者・・・。

エンデ(フローレス島中部のぼくの調査地)も、 ラブアンバジョの出来事を 対岸の火事としてのんびり見ているわけにもいかないだろう。 いつなんどき火の粉が飛んでくるかわからない。 ぼくは村の人たちの当意即妙の知恵は信頼しているが、 それもまた桁ちがいの金と権力の前には蟷螂の斧かもしれない。

2024-06-08 Sat

ニュース…「(東インドネシア、フローレス島、マンガライ)若者の共同体がポチョ・レオックの水を守る」---悪者(地熱発電)から女性(土地)を守る若き警備隊・・・ : [Category Flores]

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原題は: Kolaborasi Komunitas Muda Jaga Air di Poco Leok

ルーテン (Ruteng) (中部マンガライの県庁所在地)を 基盤に活動しているグループ、 Rumah Baca Aksara というのがあるらしい。 HP がみあたらないが、 Facebook が HP 代わりのようだ。 グループのテーマは「読書を友とする」ということだと書いてある。 たぶん文盲をなくすことが目的なのだろう。 このグループとその他の若者がグループが、 ポチョ・レオックの地熱発電への反対運動を展開しているという、 という記事だ。

ほんとうに Floresa の記事はきちんと取材をしていて、 読んでいて気持ちがいい。 写真もよい。 反開発・若者・NGO あたりが Floresa のキーワードだ。

以上の記事は 06-05 付けだ。 「反鉱山開発の日」は 2024-05-31 であり、 05-31 付の以下の記事(これも Floresa である)は当日に書かれたものだ。 ‘Rawat Mata Air, Bukan Air Mata,’ Narasi Kolaborasi Kaum Muda Peringati Hari Anti Tambang di Poco Leok --- この記事もまた臨場感あふれるすばらしい記事だ。

2024-05-17 Fri

ニュース…「聖パウロ・ルテン・ウニカ大学によるマンガライ文化コンクール、若い世代の「デ・マンガライ・ゼーション」現象に取り組む」---こんどは「文化の客体化」だ;Floresa には人類学者がいるに違いない : [Category Flores]

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原題は: Lomba Budaya Manggarai oleh Unika St Paulus Ruteng Sikapi Fenomena ‘Demanggarainisasi’ di Kalangan Generasi Muda。 "Demanggarainisasi" は なお "De-Manggarai-sation" 「非マンガライ化」である。

人類学特有のいやらしい言い方をすれば、 このフェスティバルは、典型的な 「アイデンティティ・ポリティクス」である。 1980年代にあった 国家主導の "Kebudayaan" (保全)運動と比較してみると 面白いだろう。 2020年代の "kebudayaan" (復興)運動は、 カトリック主導と言えるのだろうか。

閑話休題。

同じことを何度も繰り返すが、 Floresa はすばらしい。 フェスティバルの詳細がよくわかる報道である。 Pos Kupang は見習ってほしい。

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