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東南アジア学会の 第106回研究大会でのぼくの発表予定の原稿、 「千の唇、百の舌」の進捗がはかばかしくない。
今朝、起きてからベッドで夢現(ゆめうつつ)の時に、 「夜」がやってきて、答を教えてくれた(「コンベ・ソッド」)。 [--エンデ語です。夜の精霊(?)からの啓示のことを言います--]
まず、当該の論文の現時点でのだいたいの枠組を紹介しておこう。 第1章はエンデの妖術信仰(「千の唇、百の舌」は一種の妖術信仰である)について、 第2章は日本のいじめ(別役の議論)についてである。 そして第3章が理論篇(結論)となる。 思いつかないのは、結論としての第3章でどのようにまとめるか、 その方法である。
さて、夜の教えは次のようなものだ。 ニーダムをもちだしたらどうだ、というのだ。
いじめから千の唇を説明するのは ちょうど ニーダムが批判したホマンズとシュナイダーと同じ間違いをしているように見えるだろう。 ホマンズとシュナイダーは次のように説明する。 父系制のなかの個人がしばしば訪問する 母方のオジに、父親に対するより深い愛情をいだくことになる。 さらにその愛情はその娘、すなわち母方のオジの娘へと延長されることとなる、と。 ニーダムはこのような個別の心理学的な事象によって、 制度を説明するのは間違っているという。
もちろん、 ニーダムはデュルケムの金言に従っているのだ --- Whenever a social phenomenon is directly explained psychological phenomenon, we may be sure that it is false.
このニーダムの指摘が正しいとして、 一つの言抜けは、 「わたしは因果論を述べてはいない」と逃げることだ。じっさいまだ述べていない。 そして、最後に、 適当なレトリックで逃げるという手がある。
しかし、もうひとつの対応策がある。 ニーダムの師匠としてデュルケムではなく、 レヴィ・ストロースを持ち出してくるのである。 すなわち、 シンボルの思考が出現するという (デネットの言葉を敢えて使えば)「魔法の瞬間」の後は、 自然主義的(心理主義も含まれる筈だ)説明はいっさい使用禁止となる という、レヴィ=ストロースのあの御宣託である。 ニーダムはレヴィ=ストロースの忠実な弟子なのであるから。
わたしが言いたいのは「冗談」は この魔法の瞬間に関わっている。ということだ。
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最終更新時間: 2025-04-28 11:09