ティヌスの家の屋根上げの儀礼がきのう あった。 続いてきょうはソンガ(共同作業)の日だ。 ここ数日ティヌスのキョウダイ・シンセキ [--ティヌス自身はマレーシアに行っている--]が やってきて、 ハニやカニスといろいろ相談していた。
「沢山の人をソンガする(頼む)と、 仕事をしないやつが出てくる。 とくに今回は屋根の仕事だ。 屋根の仕事ができるやつだけを呼ぶつもりだ」 ということに決めていた。 へぇ、けっこう「合理的」なんだ。 感心したり、 ちょっと残念におもったり・・・
さてさて、ソンガを時々見にいった。 [--ソンガは朝から晩まで続いている。--] けっきょく村人全員を呼んでいるようだ。
午前中は屋根に登れない人たち [--だいたいが年寄ぐみだ--]もそれなりに 仕事してたけど、 午後になると地べたにすわって、 モケ(椰子酒)をのんでいる。
ま・これがソンガなんだよね。
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きょうは、 歩いてすぐの村でトゥーバンダがある。 去年は ボウ(婿側が婚資を集める集会)ばかりだったのだが、 今年はトゥーバンダばっかりだ。
きょうこそは最後までつきあうぞ・・・。
婿側は遠いとおいリオの人たちだ。 言葉は似ているが、 方言というより別言語といった方がいいだろう。 カニスが通訳係・兼・交渉担当として 呼ばれてる。
リオ人たち(婿側)は自動車2台でやってきた。 かれらは、到着してすぐに 持ってきた婚資を全部ひろげてみせた。 あわてたのは嫁側で、 カニスがいっしょうけんめい 「違うちがう!持ってきた婚資は隠すんだ。 これからンバッボをするんだから」と 言い聞かせる。 リオの人たちはあわてて婚資を 隠す。
・・・というわけで、 ンバッボ(婚資交渉)はなんとも気の抜けたものと なってしまった。
ともあれ、 とうとう最後までいた。
2 kmほど離れた村、ヌアバル、でトゥーバンダがある。 ぼくの妹リヴァのだんなであるハニはその村の出身なので、 今回ぼくは嫁側となる。 ハニといっしょに歩いてヌアバルまで登っていく。 婿側はまだ来ていない。 前日から来ている嫁側のカッエウンブ (嫁を与える者たち)といっしょに時間を潰す。 婿側はすぐ近くの村(10 kmくらいかな)から やってくる予定だ。
婿側が行列をつくってやってきた。
《More . . .》エンデの結婚は贈り物交換だ。
まず、婿側が婚資を集める。 これをボウという。 自分のキョウダイ・シンセキ、 とりわけ嫁を受け取る者(姉妹など)を呼んで、 婚資(象牙、水牛、牛、お金などなど)を集めるのだ。
集まった婚資を嫁側に運ぶのを トゥーバンダという。 トゥーバンダの前日には 嫁側のキョウダイ・シンセキ、 とりわけ嫁を与える者(母の兄弟など)が 贈り物をもってやってくる--- 豚や米、イカット織りなどなどだ。
トゥーバンダの日、 婿側は嫁側と交渉(ンバッボ)をする。 婚資はいろいろな項目に分かれていて (儀礼言語で表現される)、 それを一つひとつ渡していく。
ンバッボが終われば、 婿側が嫁側に交渉の結果の婚資を渡し、 自分の村に帰ってゆく。
嫁側は受け取った婚資の大部分を、 客として来ていた嫁を与える者たちに与え、 嫁を与える者から受け取った贈与の大部分を (後日)婿側にもっていくのだ。 これをトゥーカー という。
さてさて・・・
4キロくらい離れた村でトゥーバンダがある。 婿側が嫁側に婚資(バンダ)を運んでくるのだ。 ぼくは嫁側にも婿側にも強いシンセキ関係がある。 隣のアグスくんのバイクで村へ行く。 彼は婿側なので、まず婿側に合流する。 牛が三匹、象牙が一本見えている。 [--動物と象牙はみせびらかす。 その他の婚資は隠しておく。--]
嫁側は前日から来ていて、 いまから婿側の食事がはじまる。 食事が終われば、 ンバッボ(婚資交渉)だ。 式次第ははっきりしているのだが、 その準備がながい。
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年とって忍耐力がなくなってきた。 2時間ほどで(食事の前に) ズパドリ村の若者のバイクで降りてきた。
いかん、いかん、もう少し 頑張って調査しなくっちゃ。
エンデに到着する。 いつも空港に迎えにきてくれる弟のカニスは 熱がでて迎えにこれないという。 代わりに村の若者が3人迎えにきていた。
町にすんでいるお姉さんの家による。 そこで分かったのはカニスが大怪我をしたということ。 心配させないように「熱がでた」とだけ 知らせたのだという。
あわてて病院に見舞いにいく。 足や手を怪我したのだが、 手術も終わり、元気そうだ。 病室は村の人でいっぱいだ。 日曜(入院初日)から泊っているという。
若者たちのバイクにのり、 すぐにズパドリ村に出発する。 いつものことだが、 不思議なことにズパドリ村の村の境あたりで とつぜん寒くなる。
いつもの歓迎を受けて、 妹のリヴァの家に。
とつぜんもう一つの日常となってしまった。
ぼくの発表するのは、正確に言えば、 UI主催の国際シンポのプレシンポジウムだ。 「ジェームズ・フォックスの業績を記念して」と 名づけられている。
ぼくの発表はトップバッターだ。 朝から緊張しまくってたけど、 なんとか発表し終えた。 質問したのが、 ぼくのやっていることをよく理解してくれている [--その上、ネイティブ英語スピーカーの--]友達 なので、 質疑応答もとってもスムースだった。
発表が終わってほっとする。 続く発表は余裕で聞いていられた。
今回のインドネシア行きの最初の訪問地は ジャカルタだ。 UI(インドネシア大学)主催の 国際シンポでの発表のためだ。 ジャカルタはしばらく振りだ。 ただただ人の多さ、車の多さ、 建物の多さに圧倒される。
ホテルは狭苦しいところ。 不安な一夜をすごす。
きょうがパンキョウの最後の授業だ。 次回は試験で、 その時ぼくはインドネシア調査中なのだ (監督は他の先生にお願いしてあるのだ)。 専門ならば、授業が終わった後も 学生さんには会うのだが、 パンキョウはこれでおしまい。 そう考えると、ちょっとさびしい・・・かな。 。
きょうはパンキョウの授業の実質最終回だ。 --- 来週はバッファ用であり、かつ模擬試験と テスト対策の日、 そしてその次はテストだからだ。
予習をしてみると、 とても一回の授業で終わるとは思えない量が残ってた。 というわけで、流れを全部あたまに入れて 授業@Tキャンパス に臨む。
さて・・・
授業をすぐに始め、 途中を飛ばしながら、 超特急の速さで授業をすすめる。 ニコニコ・・・「あと15分くらいで終わるかな」・・・ ちらっと腕時計を見ると時間はまだ45分くらい残っている。
らららぁっ・・・!
《More . . .》午前中はTキャンパスでパンキョウの授業。 いよいよあと3回だ。 きょうは自信のある内容だったが、 空回りしてしまったようだ・・・(´・ω・`)
Sキャンパスの研究室に戻る。 サンドイッチを食べたところに MY (OB)くんがやってくる。 いろいろと「ご相談」。 午後はYA (OG)さん、KY (D3+)さんそして PS (D3+)さんの博論指導セッション。 いつものセッションは1コマ分(90分)をわりあててい るのだが、 きょうは3人なので一人60分ということにした。 60分は、やはり、短かすぎたかな。
《More . . .》法事のために東京・大阪を往復した。 背広を着て、革靴をはいてった。
夜中帰ってきた。 靴をぬいで、背広をぬいで、シャワーを浴びる。 ごくらく極楽。