壁をあるきまわりながら、小さな(というか普通サイズの)Gを まきちらしている。
あ・・・こわかった。 これまでのトップスリーにはいりそうな、 気味のわるい夢だった。
キャンベラにすんでいる Cちゃんとこに小さな女の子とネコがいた。 ネコはキジトラ柄で、名前をミラキュラス (Miracurous) と 言った。 大阪に住んでいるぼくんとこには小さな男の子と ネコがいた。 ネコはサバトラ柄で、 名前をカンタンケロス (cantankerous) [--「いじわるな」という意味だそうだ。 こんな単語を知っているなんて、われながらびっくり--] といった。 「感嘆ケロス」とも書く。 ぼくが男の子をうんこさせて、トイレの外にでると カンタンケロスが甘えてきた。 カンタンケロスが立ち上がるとぼくと同じくらい、 いや、ぼくより長いことに気がついた。 あらためて見ると、 その腕は熊の前足のようだし、 その歯はひと噛みで人間の首をかみきることも可能だ。 おそろしくなったので、 警察を呼ぶこととした。 外に出ると、 カンタンケロスが凝(じ)っとぼくを見ている。 ぼくが警察に行こうとしているのに気がついたようだ。 ぼくはにやにやしながら、 「警察になんか行かないよ」とボディランゲージで彼に示す。 そうして少しずつ彼(カンタンケロス)から 離れていく。 でも離れていくのが分からないように、 離れるにつれてすこしづつ空に上がっていった。 彼の遠近感を乱すのが目的だ。
目がさめた。 あ・こわかった。
ひさしぶりに空を飛ぶ夢だった。 ほんの50 cmほどではあったが。
チェコでの留学の一日目だ。 まず、下宿を決めなければいけない。 街中を歩く。 二階建て(もしかしたら三階建て)の下宿をみつけた。 とても大きい。 やはり下宿をさがしている知り合いの二人組にあった。 ちょうど彼らが部屋を決めたところだった。 そのビルディング(下宿)の大家さんもいた。 彼らが借りた部屋を見せてもらう。 畳敷きだし、なかなかきれいだ。 知り合いの二人は「さぁ、これからループスを用意しなければ」と 言う。 ぼくは「ループス」がなにかを知らない。 大家さんに教えてもらう --- チェコではすべてが電子マネーでやりとりをするのだという。 リアルマネーは、もう使っていないのだ。 電子マネーの単位がループスなのだ。 あの二人組がいったのは、 ループスを使うための銀行の口座を用意する、ということだ、 と大家さんが説明してくれた。 大家さんにその他の空き部屋をみせてもらう。 とても汚ない部屋だった。 きもちがわるくて、きもちが悪くて・・・目がさめた。
オーストラリアに留学してまだ数日しかたっていない。 きょう初めて人類学のデパートメントに行く。 学生部屋 [--ほんものの ANU のように一人一部屋ではなく、日本の大学のように学生は大部屋にまとめられていた--] に 案内してもらう。 そこから、 隣のデパートメント(たぶん、Linguistics だったと思う)の 図書室に案内してもらう。 Linguistics は学生部屋と図書室が部屋の中の階段で つながっており、 廊下にでないでも、 部屋の中だけで生活できるようになっている。 それから Linguistics の学生はすべて 女性だった。 ぼくが英語で話すのに苦労しているところで 目が醒めた。
という夢をみた。 退職以来はじめての「予習忘れ」の夢だ。 心臓によくない。
ぼくはインドで牢屋に入れられた。 ぼくの他にあと二人が同じ部屋にいれられていた --- ハッサンとクマールという名だ。 三人はたいへん仲良くなった。 ぼくらは大の親友になった。 同値関係と呼ばれる関係がある --- それは反射律、対称律、そして推移律のすべてが 成り立つ関係である。 印象主義的に言えば日常的な「同じ」関係を 数学的に表現したものと言えるだろう。 ぼくらの間の関係はこの同値関係だ、と 三人で納得した。 三人に上下はなく、みなが「同じ」なのだ、と。
ある時ぼくらの牢屋に三匹のハエがはいりこんだ。 三匹はいつ迄も牢屋のなかにとどまった。 その内に、 ぼくらはそれぞれが「自分のハエ」をもつようになった --- ハッサンにはハッサンの好きなハエが、 クマールにはクマールのハエが、 そしてぼくにはぼくのハエができたのだ。 ハエと人間の関係に関しても、 「これもまた同値関係だ」ということで三人は納得した。 ハッサンとハッサンのハエとは「同じ」なのだ、と。
「ということは」と、 誰かがいった --- クマールだったかもしれない。 「けっきょくぼくたち六人 (ハエもまた「一人二人」と数えるとして)は みな『同じ』であり、 区別ができないんだ」と。 「この六人と、その間の関係とで 成立する数学的世界を考えることが できるだろう」 --- こんどはぼくがしゃべっていた。 場面はある国際哲学学会だ。 ぼくは 「三匹のハエと三人の牢屋仲間の同値関係」という タイトルのペーパーを読んでいた。 英語だ。 質疑応答の時間になっており、 ぼくは一生懸命へたな英語で質問に答えていた --- Let me put it this way ...
目が覚めるとまだ雨が降っていた。
気がつくと、 ぼくは英語の論文を前に冷や汗をかいている。 あてられた論文をあらかじめ読んでおくのを 忘れたのだ。 大学院のゼミだ。 何が書いてあるかまったく分からない。 しようがないので、そのまま読み上げる。 パニック・・・。 その内に英語を読むことさえ出来なくなった。 口をぱくぱくさせる。
Eに起こされる。 深夜の12時だ。 汗がすごい。 学生になった夢を見るのは久し振り --- 二度と見たくない。
廃屋の棚からスズメバチの大群がでてきた。 大きさが雀ほどもある。 刺されると死んでしまう。
窓ガラスにとまっていたスズメバチを見たショックが まだ続いているのか・・・ これで二回目の蜂の夢だ。
蜂のための巣の設計図をウェブから5種類ほどダウンロードして、 適当なところ(木の枝など)にかけておいた。 しばらくして、 何人かの人が、 「蜂たちの巣作りは失敗しているみたいだよ」と ぼくに教えてくれた。 確認しに行くと、たしかに失敗している。 設計図は蜂たちににも分かるように 土や植物などで作られている。 蜂の言語で、巣作りの指示が書かれているのだ。 ところが蜂たちはその設計図を、 巣のモデルだと考えてしまったのだ。 そこここに設計図と同じ「巣もどき」が 作られていた。
きのうの昼間窓ガラスにとまっていた でっかい蜂をみたショックがそのまま夜まで続いたのだろう。 蜂の夢を見た。 不思議な夢だ; まるでパースの記号論みたいだ。
ぼくんちのマンションの最上階、 10階でエレベーターに乗る。 同じ階の人が乗ろうとしたので、 扉をあけたままにした。 「どうぞお先に」と言われ、 一人で下に行くことにした。
扉が閉まって、降りはじめる。 そこで始めて気がついた。 とても古いエレベーターだ! がたがた揺れている。 とうとう止まってしまった。 「閉じ込められた!」
発狂しそうになった。
ほんの数秒の夢なのだが、 冷や汗をたっぷりかいてしまった。
ローティーンの女の子くらいにしか着れない 細身のザヴォ (rhawo) (絣(かすり)織りの腰巻)があった。 黄色だから、リオの村で作られたものだろう。 「ジューザ (jurha)」と言うのだそうだ。 あらためて考えてみると、 けっこう何度か聞いたことのある言葉だ。 どうやら婚資の一部ではあるのだが、 たいていその婚資の対象である女性と その親のもとに置いてあるのを見る。 「ダウンペイメント」と呼ぶべきなのかもしれない。
この言葉は、 〈日常よく聞くけれど、いざその意味を聞いたら、 「そんな言葉はない」と言われる類のコトバ〉だと 直観した。 じっさい「『ジューザ』ってどういう意味?」って 聞いたら「そんなコトバはない」と答えられてしまった。
そのまま論文に引用できそうな夢だった。
科研のお金44万円をもって メンバーのところに行く。 みなは喫茶店で待っている。
途中で44万円をなくしてしまった。 どこで落としたのかなぁ・・・ 困った、こまった。 ともかく待ち合わせの喫茶店に向かう。 みなは 紛失のニュースを冷静に 受け止めていた。
ぼくはまた一人で歩いている。 いや、一人じゃない。 ぼくはいつの間にか赤ん坊を抱いている。 1歳くらいの女の子だ。
梯子をのぼって高い所にある 居酒屋に入る。 大木の中にいくつかの部屋があるのだ。 小さめの部屋に入る。 真ん中に囲炉裏が切ってある。 連れていた赤ちゃんを下におろす。 誰かが忘れたのか、 赤ん坊がもう一人、たぶん男の赤ん坊が、いる。 部屋の向こう隅で静かにしている。 眠っているのだろう。
ぼくは煙草をすいたくなったので、 部屋の外に出る。 煙草を捨っていると ぼくの連れていた赤ちゃんが ピンクのダウンジャケットを自分で着て [--自分で服が着れるような年ではない。--] 外に出てくる。 隅の赤ちゃんが怪物に変身したというのだ。 [--彼女はこれまでコトバは 喋っていなかった。--]
部屋の中からガタガタっという音が聞こえる。 こわかった。
夢の音にびっくりして起きてしまった。