カニスの奥さん(リン)の年取ったお母さん(「イネ・モニ」)はここ数年 カニスたちといっしょに暮していた。 つい最近、リンの兄弟たちがやってきて、 イネ・モニを自分達の村、リオ人の村に連れてかえった。 [--リオはエンデと方言程度の違いの言語を喋るが、2つの文化はかなり違う--] さきほどイネ・モニが亡くなったという知らせが届いた。 悲しみの泣き声があちこちから聴こえる。
1時間ほどすると、 葬式の準備がはじまる。 カニスは人望もあり、有力者でもあるので、 かなりの人がいっしょについていくようだ。 カニス自身の車の他に2台も借り上げて、 3台の車に人間と動物(贈り物の牛と山羊)をのせて出発する。 人間は50人以上いただろう。
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リオの村に着いたときは真夜中だった。
女たちが大声で泣いている。 [--「ナンギ」とよばれる「(儀礼的な)泣き」で即興の歌詞をきそう意味もある--]
エンデであれば客は諸手をあげて歓待されるのだが、 リオはもっとビジネスライクだ。 料理もいいかげんだし、客あしらいもぞんざいである。 あんなに遠くから、大勢で、動物も連れてやってきたのにだ・・・。 エンデの人たちは不満たらたらだ。
不満だらけの夜は更けてゆく・・・。