自然と文化
2020-09-29
この講義シリーズのタイトルは『文化の中の生と死』である。その背後にはより大きな「自然と文化」というテーマがある。あなたがたが ごくごくあたり前におもっていること(「どこでもそうだろう」と思っていること)が、じつは、日本にしかないこと、他の文化ではまったく違っていることを教えたいと思います。
いささか唐突かもしれないが、ここでゲームについて、「ゲームについて語ること」について述べてみたい。
将棋とチェスはたしかに似ているかもしれない。しかし、将棋の角とチェスのビショップと「どちらが良いか」について語ることは無意味である。角よりビショップのほうが進める升目(マスメ)が多いがゆえに、ビショップのほうが「より良い」と言うことは無意味である。
ゲームで言えることが、文化についても言えるのだ、というのが私の言いたいことである。