2024-05-29
第1部のキーワードは離床 (disembedment) である。「離床」はポランニーが作った分析概念である。彼は『大転換』(???) (ポラニー 1957) の中で、西洋の近代への変換(「大転換」 “great transformation”)の原因のメカニズムを経済の社会からの離床 (“disembedment”) と主張する。詳細は講義本文にまかせるが、簡単に言うと、「経済の離床」とは経済が社会のほかの領域(政治、文化、そのほか)から分離してしまう様をさす用語である。すなわち、ポランニーは、経済が社会から(あるいは日常生活から)独立してまうことが、近代の成立の大きな要因だと主張しているのだ。第1部で展開されるのは、近代において、自然もまた日常生活から 離床 しているのだという指摘である。